あなたは毎日、気持ちよく、会社で働くことができていますか?
「会社では私の好きな仕事ができて、周りの人も一緒にいて気持ちいい人ばかりです」
こういう答えだったらよいのですが、なかなかそうはいきませんよね。
中でも、自分の同僚に小さいお子さんを持つママがいる方は、この質問に対する答えが、
「子供が小さいからしょっちゅう病気で休んでばかりいるママがいて、私はいい迷惑なんです」
かもしれません。
ズル休みじゃなくて、子供が病気だから仕方なく休んでいるのは、もちろん分かっている。
それに、ママ本人もいつも申し訳なさそうにしているから、彼女に向かって文句を言うのは違うというのも、頭では理解している。
でも、彼女の仕事が全部、私に降ってきて、正直な話、我慢ができないというのが本音なんです。
こんな悩みを持つあなたのために、子育て中のママが休んだ日も、あなたが負担感を持たない方法をお伝えするのがこのページの目的です。
さらに、このような状況になった時にしてはいけないNG行動も、合わせてお話しします。
あなたが得たい「ゴール」を、はっきりさせる
彼女が休んだ日は、私の仕事が増えてが大変になる日。
だから、どうにかしたい!
あなたの悩みを簡単に表現すると、このようになりますよね。
ところで、「どうにかしたい」の「どうにか」の内容を、あなたはちゃんと把握できていますか?
「彼女が休んだ日、自分がどのような状態になるのを望んでいるのか?」
こちらを言葉にすることが、今の困った状況を改善するファーストステップです。
おそらくは、
- 自分が働く時間を増やしたくない!
- 代わりに残業するのは構わないけれども、納得できる理由がほしい
このどちらかになるのでは?
そして、あなたが何を願っているのかによって、「どのような行動を取ればよいのか?」は変わります。
パターン1:自分が働く時間を増やしたくない!
ママさんが会社を休んだとしても、自分は普段通りの時間に会社を出たい。
彼女が会社に出てこなかったからといって、その分まで残業してこなすのは嫌だ!
このように、いつもと変わらない状態で働きたいのであれば
- 上司に掛け合う
- 業務の効率化をする
このふたつの対策が有効です。
自分が負担を感じていることを上司に伝える
ここでひとつ、あなたに残念なお知らせがあります。
あなたが必死で頑張ってママさんの穴埋めをしていることを、おそらく上司は知りません。
上司本人が忙しかったり、目配りが足りないなど、本当に気づいていないケースはごく普通にあります。
また、実は知っているのだけれども、あなたが言い出さないのをいいことに、上司が見て見ぬふりをしていることも。
ですが、いずれの場合にせよ、あなたがはっきりと「私は困っています。改善してください!」と主張すれば、上司は必ず対応しなければなりません。
そこで、とにかくあなたの現状と希望を上司に伝えてください。
とは言うものの、ただ単純に「労働条件が悪いから、改善してほしい」だけでは、具体的にどのように対応すればいいかのか分からなくて、上司が困るだけです。
そこでおすすめしたいのが、あなたが担当する業務とママさんが担当する業務を、それぞれ客観的に見ることです。
彼女が出社した日と休んだ日で、あなたの勤務時間がどれぐらい変化したのか?
また、あなた自身が普段、どのような業務を担当しているのか?
さらに、彼女が休むことで増えた業務は、具体的に何なのか?
3ヶ月など、ある程度の期間、これらの記録を取り続けてください。
長期間にわたって記録された事実は、何よりも強力な証拠。
これを見せられたら、あなたの上司は改善策を考え、対策を実行しなければならなくなるはずです。
今すぐできる方法ではありませんが、筋の通った証拠を使った交渉なので成功確率は高いと言えます。
確実に残業を阻止したいのであれば、トライしてみてください。
余談ですが、社員をひとり、新たに雇うほどではないけれども、今いるメンバーでは業務量が多すぎて追いつかない。
このような問題を抱えている企業が、最近よく活用するようになった手段が「オンライン事務代行」「オンライン秘書」です。
ただ、この存在を知らない企業がまだまだ多いので、あなたの上司に「こういうのもありますよ」も、合わせて伝えてあげてください。
この種類の会社に所属する彼女たちは、まさしく「プロフェッショナル」。
導入してもらえたなら、あなたの負担がもっと軽くなります。
業務の効率化をする
先ほど、「あなたの担当する業務内容を、記録してください」とご提案しました。
この作業をすることで、さらにもうひとつ、あなたが会社を早く出られるようになる方法があります。
それが、今からお話しする「業務の効率化」です。
「あなたが普段、どのような仕事をしているのか?」
こちらをリストにしてみると、思っていたよりかなりたくさんのタスクあったはずです。
また、ご自身の業務をひとつひとつ見てみると、「この作業は、一体、なぜやっていて、どんな意味があるんだろう?」と疑問に思った仕事が出てきたかもしれません。
「やってもやらなくても、どちらでもいい」と思えた仕事は、とりあえずやめてみてください。
もし何らかの影響が出てしまったら、また再開すればよいだけです。
さらに、「これは必要だ」と残した業務に関しても、細かく手順を見直すと改善ポイントが出てくるもの。
「こうしたら、もっと早くできる」に気づいたら、さっそく取り入れましょう。
このように仕事をやめたり、手順を変えることで、
- 生産性が向上する
- だが、お給料は変わらない
となり、短期的には損をしたように見えます。
「頑張ってスキルアップしたのに、お給料が変わらないなんて意味ないじゃない!」
あなたはこのようなことを考えるかもしれませんが、工夫してスキルアップした経験は、将来、必ず役に立ちます。
転職する際は、職務経歴書に書けるよいネタになります。
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また、効率化する方法を考えることで時間が生まれ、会社が終わって自宅に帰ってから、副業ができるゆとりが生まれるかもしれません。
その上、副業がうまく軌道に乗れば、「会社を退職して独立、起業する」という選択肢も見えてきます。
いずれにせよ、損をしただけで終わってしまうということは、まずありません。
なので、安心して、今のお仕事に対して積極的に効率化をしてください。
パターン2:残業することを納得できる理由がほしい
働くママさんが会社を休んだ日に、自分が残業して彼女の担当する仕事もこなすことは構わない。
ただ、自分が残業してもよいと心から思える理由はほしい。
彼女が大変なのは分かっているし、何らかの形で手助けをしてあげたい。
あなたの得たい「ゴール」がこちらであれば、その願いを叶える方法はふたつあります。
「社員に理解のあるよい会社だ」と考える
綺麗ごとかもしれませんが、少し聞いてください。
働くママさんが「今朝、起きたら子供が熱を出していたので、休ませてください」と、会社に連絡をしてきたと想像してください。
その知らせを受けて「今日は休んでくださいね、お大事に」と承諾する企業は、基本的には働きやすい会社だと言えます。
直属の上司や上層部が本音で何を思っているのかはともかく、「休んではダメです、出て来てください」と、断ることはないのですから。
ということは、あなたが何かの都合で「今日は会社を休みたい」と思った時も、休暇の申請を出しやすい職場であると言えます。
「彼女が休む日もあれば、私が休む日もある。だからお互いさま」
そう思えるようになれば、急に残業になった日も「もう何でよ!」と、イライラすることも減るのではないでしょうか。
また、これを読んでいるあなたが女性であれば、もしかしたら、将来、あなたご自身も彼女と同じ立場になるかもしれません。
さらに、たとえ男性であっても、「子供が病気になったので、今日は休みます」というパパさんが確実に増えているので、やはり女性と同じ状況です。
つまり、男女を問わず、子供の病気で休む親になる可能性は、十分にあるというわけです。
私自身が母親なので知っているのですが、小さい子供が病気や思わぬ怪我をする回数は、子育てを始める前の予想を大きく上回っていました。
子供を産むまでは、「子供が病気するなんて、そんなの滅多にない」と思い込んでいました。
ところが、いざ自分がその立場になると、びっくりするぐらい子供はすぐ熱を出すし、怪我をするのです。
子供が小さい頃、私はずっと専業主婦だったこと。
さらに、会社員時代には、子育てをしながら働く女性が同僚に誰もいなかったこともあり、働くママさんに関する悩みを抱えることはありませんでした。
ただ、子育て経験はありますので、就学前の子供を持つ女性が会社で働く大変さは、簡単に想像できます。
働くママさんを擁護するつもりは、まったくありません。
ただ、その立場にならなければ見えてこないことは、確かに存在する。
ほんの少しで構いませんので、こちらをあなたの心の片隅に置いてもらえるとうれしいです。
「彼女が出社してくれたら、ラッキーだ」と思う
働くママさんが会社を休むのが月に1回、2回程度であれば、まだ我慢できるかもしれません。
でも「インフルエンザになったので、今日から1週間、休みます」と言うように、長期で来ないとなると、どうでしょう?
かといって、お子さんが病気なのですから、「無理やりでも来てください」と言うわけにはいきません。
こうなってくると、「根本的な考え方を変えることで、自分を楽にする」という発想を検討するのもよい方法です。
彼女は会社に来てくれる日もあるけれども、そうではない日もある。
だから、いない日があるのは、日常茶飯事だと思う。
そうすれば腹も立たないし。
と、このように考え方を変えることで、「今日は来てくれた。ラッキーだな」と、少しずつ思えるようになります。
働くママさんが会社に出勤した日は、あなたにとっては「ゆとりデー」。
急ぎではない仕事にゆっくり取り組める日としたり、定時で会社を上がれる楽しい日だと考えてみましょう。
そうすれば、彼女が出社した日は、にこやかに接することができるようになります。
子育て中のママさんが会社に在籍している時、やってはいけないこと
ここからは話題を変えて、小さな子供がいる働くママさんが職場にいるあなたが、やってはいけないことをふたつ、お話しします。
どちらも気をつけていなければ、ついやりがちな行動、でも決してやってはいけないことです。
ママさんのいない所で、本人の悪口を言う
改めて言うまでもありませんが、本人がその場いない時に悪口を言うのはダメです。
ですが、腹が立っていると、つい悪口大会になりがちですよね。
もしも、本人のいない所で悪口を言ってしまった時は、「自分は今、ブスになっている」と、心の中で唱えるのを習慣にしてください。
実際に、これは事実なので。
さらに申し上げると、働くママさんに対して苦情を言いたいのであれば、その相手はママさん本人ではなく、彼女の上司です。
先ほど説明した客観的な記録を準備し、上司に掛け合いましょう。
これが、関係するすべての人が「Win - Win」になる行動です。
黙って耐える、やり過ごす
悪口を言って発散することと逆の行動である「黙って、耐える」もまた、してはいけないことです。
言いたいことを我慢していれば、いずれメンタルが不調になるのは間違いありません。
あなたが働く会社は、はっきり言って、代わりなどいくらでもあります。
なのですが、「あなた」という人間の代用品は存在しません。
であれば、「どちらをより大事にすればいいのか?」は、もうお分かりですよね。
「女性が長く働き続ける」の過渡期に、あなたができること
残念ながら、今の日本の社会は働くママさんにとって、そして周りにいる同僚にとっても、お互いに無理なく楽しく働ける環境ではありません。
今は会社や、それぞれの家族、社会全体を含めて、全体的に「働くママさんが当たり前に存在する」状態になる過渡期であると言えます。
一方で、先日もお伝えした通り、日本という国はずっと人手不足が続いています。
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つまり、「小さな子供を持つママさんが、積極的に働くことを求められている状態だ」というわけです。
だからこそ、関係するすべての人が知恵を出し合い、「どうすれば、みんなが気持ちよく働くことができるだろう?」と考え、実現に向けて行動するのが、日本の持つ大きな課題。
道のりは険しく、まだまだ長いことが予想されますが、みんなで力を合わせて一緒に乗り切っていきましょう!