結婚し、子育てをするために職場を離れ、再就職をしたいと願っている主婦にとって、企業の採用面接を受けるのには高いハードルを感じます。
会社で働くことから離れることによって生じた長いブランクを、引け目に感じる方が多いのではないでしょうか。
ただ、日本では長期間、人手不足の状態が続いています。
ということは、あなたが働くことができる場所は、上手に探せば必ず見つかるということ。
なのですが、採用面接の場であなたのよさをしっかりアピールできなければ、「採用→再就職」への道は遠いと言わざるを得ません。
このページでは「再就職をしたい」と希望するブランクのある専業主婦の方が、企業の採用面接を受ける際、
「これを聞かれると気まずい、ヤバい」
と思う可能性の高い質問に対して
「こう答えると、企業側の印象がよくなりますよ!」を、ご説明します。
「この質問をされたら、こう答えればOK」が事前に分かっていれば、落ち着いて採用面接を受けることができますね。
ブランクがある理由を質問されたら
「なぜ、今まで働いていなかったのか?」を聞かれた際は、理由を正直に答えましょう。
企業の採用担当者は、あなたが働いていない理由を知ることで、「今後、どのような形で自社に貢献してもらえるのか?」を知る材料にします。
なので、嘘をついてはいけません。
どのような理由でも構いませんので、率直に伝えることをおすすめします。
ブランクのある主婦の再就職は、就活と同じ
長期間、働いていないので、これまでの就業経験が「リセット」とまではいきませんが、「未経験に近い状態であると判断される」と考えてください。
新卒の学生さんが就活をする時と似たような状況になっている、と思えば、イメージしやすいでしょう。
ということは、アピールするポイントも就活する学生さんと同じで、ズバリ、あなたの人柄。
ご自身とまったく違う人柄を演出する必要はありませんが、労働をして賃金をもらう以上、「私は誠実である」は伝えてください。
専業主婦の時に得た経験をアピールする
会社で働いていなかったとはいえ、その間、あなたには様々な経験を積む機会があったはずです。
主婦としてのあなたが得た経験に関しては、積極的に採用面接者に話しましょう。
たとえば
- ボランティア活動
- 学校や幼稚園、保育所のPTA活動
- ビジネス書を読んで、スキルアップした
- 新聞から社会情勢を随時チェック
といった経験はありませんか?
「働いていない状態は長いが、ただ遊んでいたわけではない」ということを、これらの経験をを通じて上手に伝えること。
そうすることで、「この人は何か違うな」と、採用面接者に感じてもらえます。
数多くの応募者の中から、あなたを選んでもらうには、覚えてもらうための何らかのきっかけが必要です。
記憶に残るための材料を得る手段のひとつとして、「働いていない期間、何をしていたのか?」は、事前に整理することをおすすめします。
会社で働くことに慣れることができるか
今まで時間を拘束されることがなく、毎日を過ごしていたあなた。
にもかかわらず、急に「9時から5時まで仕事です」となると、「生活の変化についていけるだろうか?」という不安がありませんか?
また、「難しいことを言われて、私はこなせるのだろうか」という、別の不安を感じているかもしれません。
企業側はあなたの感じるその不安を、もちろん知っています。
そこで出てくるのが、このような質問です。
業務内容についての質問
採用面接の席で、あなたが持っているスキルそのものについて質問されることがあります。
パソコンのスキルやビジネスマナーについて、どのくらい知っているか?
こういったことを聞かれるのは、めずらしくありません。
ただ、まったく知らないからといって、がっかりする必要はありません。
「キーボードから文字を入力することすら、できない」レベルだとさすがに厳しいです。
ですが、「その程度ならできる」ということであれば、入社してから必要なスキルを習得すればよいだけです。
すでにある程度のスキルを習得しているよりも、「積極的に学ぶ意志が感じられるかどうか」の方を、企業側はより重要視しています。
いざ採用し、仕事を教えようとした時に「これ以上、学ぶつもりはありません」と言われる方が、よほど困りますから。
募集要項にある業務内容について質問していいか?
こちらに関しては、採用面接者が質問するのではなく、あなたが質問したいことかと思います。
募集要項には業務内容の詳細が示されていないことが多く、「結局、何が仕事なのか?」が、イメージできないケースが非常に多いからです。
とは言うものの、採用面接の時に業務の詳細について質問するのは、望ましくありません。
なぜなら、採用面接の時間は企業側があなたのことを知るための時間であるからです。
限られた時間の中で、採用面接者があなたのことを知るために会話や質問をするのが、面接の本来の姿。
また、質疑応答の時間はあるかもしれませんが、具体的な業務内容を採用面接者が熟知しているとは限りません。
以上を考え合わせると、業務内容について具体的な質問をするのは控えた方がよいと言えます。
勤務する曜日や時間について
「いつ、どのくらいの時間、働くのか?」は、募集要項に記載があるのが一般的です。
ですが、実際に採用面接を受けてみると、募集要項とは異なる条件を提示されることがあります。
どちらかといえば、募集要項に書かれたものより多い日数、長い時間を提示されることが多いです。
たとえば、「週2回からOK」と書かれてあれば、「週3回、働いてもらうことはできますか?」
「午前中だけの方も多数在籍」と書かれてあれば、「13時30分まで、働いてもらうことは可能でしょうか?」
このような感じです。
もしも、上記のような質問をされた際、どのように答えるのかは事前に考えておきましょう。
無理であれば、きっぱり断ってください。
ただ、企業側から提示される募集要項というものは、「必要最低限、これだけは満たしてほしい」しか書かれていないケースが大半だと考えてください。
なので、「募集要項にある条件より長めに働くことを提示されても、承諾できる募集にだけ応募する」という作戦もあることはお伝えします。
休暇について質問されたら、どう答える?
会社に雇用されるということは、「指定された曜日、時間は必ず勤務します」という契約を結ぶことを意味します。
なので、頻繁に休暇を取ることは、ほめられた行為ではありません。
しかし、あなたは様々な理由で、「今日はどうしても出勤することはできないので、休みを取らなければならない」という状況になるはずです。
一方、企業側は、あなたがきちんと出社し、働いてくれるかどうかは非常に気になるところ。
したがって、採用面接の席上では、あなたが休暇を取ることに対して、様々な質問があると考えてください。
事前に休暇申請をする場合
企業によって「いつまでに申告すればよいか?」はまちまちですが、「この日は休みたい」が事前に分かっているのであれば、大きな問題にはなりません。
なので、採用面接の時に事前に申告して休みを取ることについて、企業側から質問があることはおそらくないでしょう。
もし質問されたら「休暇が必要だと分かった時点で、すぐに申告します」と答えておけば十分です。
前日や当日の朝など、直前に休暇申請をする場合
あなたが休みを取ることに関して、企業側が問題視する可能性があるのは、「前日や当日の朝などに、急に休みを取りたいと言ってくるかどうか?」です。
あなた自身が体調を崩すこともあるでしょうし、お子さんが熱を出し、会社を休まなければならない時もあるでしょう。
そして、あなたが再就職をしたいと思っていても、最初の一歩を踏み出すことができない最大の原因のひとつが、おそらくはこちらです。
履歴書の記載に同居する家族として就学前のお子さんがいるのであれば、100パーセント、この質問があると考えてください。
この難問について、どのように答えればよいのでしょう?
模範解答は「二重、三重に、子供の病気については対策があるので大丈夫です」
こちらです。
あなたが頼れる先のひとつとしては、ご実家があります。
ですが、さまざまな事情から、「実家は頼れない」という方もいらっしゃるでしょう。
その際は、他の方法を考えなければなりません。
子供が病気になった際のよくある対処法としては
- 小児科に併設の病児保育を利用する
- ファミリーサポートセンターにお願いする
- ベビーシッターを利用する
この3つが挙げられます。
いずれも事前の申し込みが必要ですので、採用面接に出向く前に登録し、機会があれば利用しておきましょう。
前もってセーフティーネットを設けておけば、採用面接者に対して自信を持って「大丈夫です」とアピールできます。
また、違う視点として、「子育て中のママさんが、たくさん在籍しています」とアピールする企業を選んで採用面接を受ける、という方法もあります。
このような企業であれば、「子供が病気だから休みます」と言いやすいですし、あなたもお子さんが回復するまで看病に専念することができるはず。
最近は人手不足から、このようなアピールをする企業が増えているので、丁寧に探してみてください。
再就職をしない原因である、あなたや家族の抱える事情について
先ほど、再就職に向けて行動をしなかった理由として、「小さい子供がいるから」を挙げました。
その他にも、あなたが再就職を希望するにもかかわらず実行しなかった理由について企業側から質問された時は、どうすればいいでしょうか?
あなたの年齢について
「ブランクがある」という状態と密接に関連することとして、「自分の年齢では採用基準に満たず、断られてしまうのではないか?」という不安があります。
そもそも、年齢を理由にして応募や採用を拒否することは、法律で禁じられています。
募集・採用における年齢制限禁止について
※厚生労働省のサイトにジャンプします。
なのですが、残念ながら実態はそうではなく、年齢は企業側にとって採用するかどうかを決める重要なファクターであり続けています。
企業側があなたの年齢を気にする理由。
それは、あなたに安定して長く働いてもらいたいからです。
せっかく採用しても1ヶ月で退職されてしまったのでは、企業側はたまったものではありません。
この「長く働いてもらいたい」という企業側の希望を満たすため、昔は若い人を雇用し、長く働いてもらうというスタイルが一般的でした。
しかし、現在はむしろ逆で、「子育てが一段落した主婦を、積極的に活用したい」と考える企業が増えています。
この状況を活かさない手はありません!
「もう若くないから、どこも雇ってくれない」
そう思い込んで再就職に向けて行動しないのは、非常にもったいないことです。
「どのような人材を求めているのか?」を募集要項から読み取り、「ここなら!」と思える企業にぜひ応募してください。
夫が転勤族である
専業主婦が再就職できない理由のひとつに、「夫が転勤族で、数年おきに必ず転居するので就職できない」というものもあります。
「転勤しない」を選ぶ人は徐々に増えているものの、まだまだ「転勤族」と呼ばれる会社員が多いのが実情です。
つまり、転勤することを選ぶ人の数だけ、転勤族と呼ばれる家族が存在するというわけです。
率直に申し上げると、数年おきに転居を伴う転勤があるのであれば、正社員として雇用されるのは難しいと言わざるを得ません。
ですが、パートやアルバイト、派遣社員であれば、諦める必要はまったくありません。
これらの立ち位置で入社するスタッフは、ある程度の年数が経てば入れ替わることを企業側は想定しています。
ということは、転勤により新しい場所に引っ越しをした直後に転職活動をすれば、少なくとも数年間はその職場で働くことができるということ。
これであれば、企業側はあなたを採用することを前向きに検討するはずです。
企業の本音は「あなたを雇うことで、失敗したくない!」です
先ほど、「企業側は長く安定して働いてくれる人を求めている」とお話ししました。
この「安定して」というのが、再就職を成功させる大きなポイントです。
「雇用した後のあなたの状況がどれくらい変化し、自社で働けなくなる可能性がどれくらいあるのか?」
その可能性を知るために採用面接を行い、様々な方面から質問をしているというわけです。
あなたが予想するより、採用活動に関するコストは非常に高額です。
莫大な費用をかけて採用活動を行うのですから、企業として失敗は絶対に許されません。
もちろん、あなたも「自分に合わない会社に入社すること」、つまり「失敗」はしたくありませんよね。
企業側も同じである、というわけです。
あなたは、普段、働く側の目線から会社を見ているかと思います。
さらにプラスして、「あなたを雇用する企業側は、どのような人と一緒に仕事をしたいのか?」を考えてみてください。
これが再就職が成功する、最短ルートです。
「相手の立場に立って物事を考える」
これは、再就職をする際にも、もちろん使える考え方です。
物事の見方を変えて、ぜひとも再就職を成功させてください。
「あなたに活躍してもらいたい」と願っている企業は、必ずどこかにあるはずですから!