2020年に始まった、コロナウィルスが原因となった社会の変化。
あなたもきっと生活が大きく変わったことでしょう。
国を始めとして様々な団体から発信されるコロナに関する情報はありますが、人や団体によってバラバラで不安ですよね。
どれが正しいの?もう、分かんない!
どの情報も今ひとつ信じられない理由を一言でまとめると「信頼に値しない」から。
発言している人や団体がこれまでにしてきたことや、発言内容のせいというわけです。
このままだと、日本はどうなるんだろう?
安心して参考にできる情報が、どこかにないだろうか?
そんな不安を感じた時に書店で見つけたのが、「 まだ誰も見たことのない『未来』の話をしよう 」です。
まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう:内容を簡単にまとめました
「 まだ誰も見たことのない『未来』の話をしよう 」の内容をざっくりまとめると、こんな感じになりました。
まだ誰も見たことのない『未来』の話をしよう:内容まとめ
- デジタルで世界はどう変わるのか?
- 皆が参加できる社会とは、どのようなものか?
ひとつずつ、さらにくわしくお話ししますね。
デジタルで世界はどう変わるか?
私たちは「IT」「デジタル」と何となく言っていますが、このふたつには大きな違いがあるそうです。
ITとは?
- 誰がやっても結果が変わらないことで
- 機械やシステム、アプリでもできることを
- 人間の代わりに実行する
- 仕組みができれば、ほとんどコストゼロでコピー可能
ITが人間の代わりに働くことで、人間には使える時間が生まれます。
この浮いた時間を使って、自分以外の誰かと互いのつながりを深めるのだ、とオードリーさん。
リアルでつながるのももちろん良いですが、幅広くつながりたい時に大活躍するのが「デジタル」です。
デジタルとは?
- ITの力を借りて
- まるで目の前に相手がいるかのように
- 互いにコミュニケーションを取る
「画面の向こうには人がいる」と、よく言われますよね。
これがまさしく「デジタルを活用している」状態。
同じ空間にいなければ実現できなかった細やかなコミュニケーションを、時間や場所を超えて実現するためのサポートがデジタルの役目なのです。
ITとデジタル、全然、違うんだね!
皆が参加できる社会とは、どのようなものか?
さらにこの本では、みんなが参加できる社会として台湾におけるふたつの事例が書かれています。
台湾でのみんなが参加できる社会・事例
- ソーシャルイノベーション
- 官民共用と社会参加
ソーシャルイノベーションとは
従来とは異なる創造的な解決方法によって社会問題や課題を解決するという概念
まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう:76ページ
のこと。
時間や能力、資金など、ひとりの人間が持っているものやできることは限られていますよね。
でも、自分と同じ思いを持っている人がつながることで、大きな力を持つことが可能になります。
人とつながる時はデジタルを活用することは、言うまでもありません。
また、台湾では政府や行政と民間の団体が、共同で様々な社会問題に取り組んでいます。
有名なところだと「マスクマップ」がありました。
参考ページ:「3つのF」で抑え込みに成功──オードリー・タン氏が語った、台湾の新型コロナ対策
他にも、社会参加をするためのプラットフォームとして、
- メールアドレス
- 台湾での電話番号
このふたつさえ持っていれば政策に対して意見ができるプラットフォーム「ジョイン」が挙げられています。
さらに「ジョイン」は実施されている政策の報告機能も備えているので、入り口から出口までを自由にチェックできるとのこと。
「自分の意見が政府や情勢を動かすかもしれない」となれば、社会に積極的に参加しようと思いやすいですよね。
あらゆる部分でブラックボックス化されている日本とは全然、違うよな、と私は感じました。
日本の議会とかお役所って、何をしているのかよく分からないなぁ
まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう:ここが参考になった
「 まだ誰も見たことのない『未来』の話をしよう 」を読んでいて特に私が「なるほど!」と思ったのは
- 「インクルーシブ = みんなが取り残されない」社会
- 価値観から相手を知る姿勢
- 睡眠の大切さ
この3点です。
「インクルーシブ = みんなが取り残されない」社会
日本をはじめとした先進諸国では、経済的に発展することが最重要とされ続けてきました。
ですが、一部分だけ急に成長したのでは、後々、大きな代償を支払わなければならないのは、あなたもご存知の通りです。
日本でもあまりにも急に変化したために、役所の手続きひとつ取っても苦労する方が多いですよね。
私も親の手続きを、よく手伝ってます
本当は自分のことは自分で責任を持って選んで生きていければ良いのですが、それすらできない方がたくさんいるのが日本の現状。
今は身の回りにいる方のお手伝いしかできませんが、もう少し何か自分にできることで働きかけができれば良いなと考えています。
価値観から相手を知る姿勢
あなたは誰かと新しく知り合った時に、相手の人の「何」を見ていますか?
オードリーさんがおすすめするのは「相手の価値観に注目すること」
相手の「大切」を知り、自分もそれを大切にすることでより親しくなれる、という流れです。
これは以前から私もやっていて、その効果を知っていたので「あ、同じだな」とうれしかったですね。
自分にとってはありえないような「えっ、それが大事なの?」も、起きるんですよ。
睡眠の大切さ
多忙であろうオードリーさんですが「できるだけ1日8時間、寝るようにしている」だそうです。
十分な睡眠を取ることが良いアイデアをひらめく秘訣、とおっしゃっていました。
言われてみれば、忙しそうである人ほど「睡眠ファースト」を主張していますよね。
忙しい人ほど、ちゃんと寝てる!
睡眠不足はただの言い訳なのかもと思って、ここ最近は夜の10時半になったらベッドに行くように心がけています。
始めてからまだ一週間ほどですが、頭の回転具合など今のところはなかなかいい感じ。
無理のない範囲で、今後も続けていこうと思っています。
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まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう:ここが納得できなかった
オードリーさんの見聞きした世界の広さと、私の知っている世界の狭さの両方が原因なのだろうとは思いますが
- 人によって「至福」は違う
- 限界費用ゼロの「限界」
この2点はちょっとどうかもな、と思ったので書き留めておきます。
人によって「至福」は違う
本文中でアメリカの有名なプログラマーであるエリック・レイモンドさんの「ハッカーにとって大切な5つの心得」が紹介されていました。
こちらでもご紹介しますね。
ハッカーにとって大切な5つの心得(エリック・レイモンド)
- この世界には、非常に多くの面白い問題が私たちを待っている。
- あなたが一つの問題を解決した後、他の人が同じような問題で時間を無駄に使うことのないよう、自分が思いついた解決方法をシェアしよう。
- 単調でつまらないことは、人類がやるべきではない。機械を使って自動化しよう。
- 私たちは自由とオープンデータを追求する。どんな権威主義にも抵抗する。
- 自らの知恵を差し出し、勤勉に鍛錬することで絶えず学習する。
有名な一節なので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
私が「?」を感じたのは、心得・その3。
何に対して「単調」を感じるのかは、人によって違うのじゃないかな、と。
さらにプラスして、単調な作業の繰り返しに至福を感じる人がいるのを私は知っています。
(人間の特性に関することは私が長く追求しているトピックなので、後日、私の意見を詳しく書きます)
「機械がすることで効率アップできるとしても、人間の手作業を選択肢として残しておくのがよりよい」が、私の意見です。
人間の好みって、本当に人それぞれ
限界費用ゼロの「限界」
現在ではスマホを持たない人が少数派になってしまいました。
70歳を超えた私の母も、スマホを所有しているくらいです。
時々「分からないんだけど」と、私の家に来ますが…
その結果、デジタルデータをはじめとした情報のやり取りは、限界費用ゼロにかなり近くなりました。
とはいえ、衣食住などの生きていくために必要なアイテムに関しては、限界費用ゼロにはまだ程遠いのが実態です。
だからといって自給自足をするのも、非現実的ですし。
もしも生命維持に関するコストがゼロに近づく方法があるとすれば、ベーシックインカムの導入ぐらいしか今の私には思いつきません。
折に触れて話題になるベーシックインカムですが、すぐの実現はかなり難しいでしょうね。
「お金がなければ生活できない状況」は、しばらく変わらない!
「誰が発言するか?」が、明るい未来を感じるキーポイント
「 まだ誰も見たことのない『未来』の話をしよう 」の全体を通じて私が思ったことは、ふたつありました。
ひとつはコロナ禍が間違いなく社会を大きく変える、ターニングポイントになったこと。
もうひとつは、普段の行いや発言が、その人の信頼性を感じさせる決定打になることです。
コロナ禍の中で、世界は大きく変わった
2020年の春以来、オンライン化への動きが鈍かった国や企業、団体も否応なしにオンラインへと舵を切ったのは記憶に新しいところです。
企業や役所は一気にテレワークへと移行しましたし、大学でもオンライン授業が当たり前になりました。
国際会議がオンラインで開催されることも、もはや珍しいことではありません。
人間が物理的に移動することが大幅に制限された以上、地理的な制約を超えるにはオンラインを活用するのが現時点ではベスト。
ただし、今後の技術発展次第では、さらに新しいスタイルが生まれる可能性があります。
さらに変化した時も、スムーズについていける自分でありたい!
「オードリー・タン」という人物が、なぜ信頼できるのか?
「 まだ誰も見たことのない『未来』の話をしよう 」本文の中で、ご自身の過去の発言や現在の行動がいくつか取り上げられていました。
「互いに助け合い、力がどんどん強くなることで、お互いを疑う気持ちは小さく削られていくんだよ」
まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう:70ページ
このほか、取材や講義の記録もすべて議事録または動画でインターネット上に公開していて、誰でも引用できるようにしています。それを元に本を書いたり、メディアに寄稿するジャーナリストもいます。
まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう:140ページ
最初の引用はオードリーさんが16歳の時に自分のお母さんに向けて言ったこと、次の引用は自分自身を「オープンソース」にするためにしていることです。
16歳の頃からこのような発言をしていて、その後も一貫して言っていることと実際の行動が一致している。
これがオードリーさんを信頼できると感じられる、大きな理由です。
以上の実績があるからこそ「未来は明るい」という発言も信頼できるというもの。
誰かの信頼を得るのは一朝一夕ではいかないのを痛感すると同時に、私も一歩ずつ信頼を積み上げていこうと決めました。
千里の道も一歩から。今日から始める!
まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう:こんな方におすすめ
「 まだ誰も見たことのない『未来』の話をしよう 」は、こんな方に手にとって欲しいです。
これからの未来をつくる若い世代
大人の読者が想定されがちな新書ですが、比較的、簡単な言葉で書かれていました。
読書に慣れ親しんだ中学生であれば、十分に読める難易度でしょう。
台湾の高校生が行政を動かした事例も紹介されていましたので、その部分を参考にして日本の中高生も大人に対して「ここが変」を主張して欲しいな、と。
受験勉強ばっかりだと、どうしても視野が狭くなりますから!
心の内側に不満をため込みやすい方
自分の感じる不満を心の中に押し殺し、つい溜め込んでしまう方も、この本を読むといいですね。
「こんな小さな一歩じゃ、何も変えられない」と諦めていることこそ、最初の一歩で大きく変わる可能性があるのだと「 まだ誰も見たことのない『未来』の話をしよう 」は教えてくれます。
小さく意見をすることで状況を変えた事例がたくさん紹介されていましたので、あなたも「伝えてみよう」と勇気づけられるはずです。
黙ったままじゃ、誰にも分かってもらえないよ
アラフィフ世代以上の方
50歳を過ぎてくると、新しいものを取り入れるのがめんどくさくなる人が増えてきます。
その一方で、年齢を重ねることによって得た経験が増えているはず。
これまでの経験を次世代のサポートに生かす方法を考えるのにも、「 まだ誰も見たことのない『未来』の話をしよう 」は役に立ちます。
明るい未来は老いも若きも皆で力を合わせて作るものと、私は考えます。
あなたは死ぬ瞬間まで、社会を構成する現役メンバーなのですから。
「一生、現役」素敵な言葉!
今はコロナ禍で、気持ちが暗くなりがちかもしれません。
こんなご時世だからこそ、明るい未来を描ける材料は積極的に仕入れたいですね。
まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう
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