「働く」と「お金」

現役採用担当から見た、確実に一次面接に進める職務経歴書の書き方

2021年6月3日

転職活動の際に必ず提出するといってよい、職務経歴書。

「何を、どうやって書いたらいいんだろう?」
「書くことがなさすぎで、困ってます!」

と、悩みの種ですよね。

おまけに、せっかく頑張って書いたのに、履歴書や職務経歴書を提出した時点で面接に進むことができない、いわゆる「書類で落とされる」ケースが多発します。
自分に会ってもらう前から門前払いされたみたいで、何だか嫌な感じですよね。

ところで、企業側の採用担当は、提出された履歴書や職務経歴書を見て、「この人には実際に会って、採用を検討したい」という判断材料を得るために職務経歴書を活用します。
言い換えれば、採用担当の目に留まる印象のよい職務経歴書を作成することができれば、面接に進むことができる確率が上がるというわけです。

なのですが、「採用担当が何を見ているのか?」は、転職を希望するあなたにとっては未知の世界では?
そこで、

  • 対面での面接300人
  • オンライン面接100人超

という採用面接を実施した経験を持つ、現役の採用担当であり会社の代表でもある私から、「企業の採用担当は、職務経歴書のここを見ていますよ!」をお伝えします。

企業側から見た職務経歴書の使い方

提出された職務経歴書で採用担当が最初に見ているポイントは、それほど多くありません。
たくさんの応募者から提出された職務経歴書を一気に読むことになるので、「いちいち、時間はかけられない」というのが率直な感想です。

ぶっちゃけ、「職務経歴書はほとんど見ていない」と言っても過言ではありません!!

とはいえ、手元にある職務経歴書を読まなければ、面接に来てもらう人を選ぶことができません。
なので、結果として、「見るべき場所を事前に決めておき、そこだけを見ていく」という流れになります。

ちなみに、私の場合は職務経歴書の内容そのものより、敬語の使い方など「正しく日本語が使えているかどうか?」が重視ポイントです
どのような仕事であっても、口頭や文面でのコミュニケーションは、言葉や文字を使って行います。
業務を行う上でのスキルは入社後でも習得可能ですが、それも「採用者としっかりコミュニケーションができる」という前提があってのことですから。

採用活動の経験を積む中で私がよく分かったのは、「会話が通じない人は、何を言っても無駄だ」ということ。
というわけで、私は日本語の使い方を最重要チェックポイントにしています。

職務経歴書には何を書けば良いのか

先ほど、「企業の採用担当が職務経歴書をじっくり読み込むわけではない」ということをお伝えしました。
この現状を踏まえて、職務経歴書に書くとよいことをお話しします。

これまでの職歴

初めて就職した会社から、在職中の方は現在、所属している会社、今は会社員でない方は直前まで在籍していた会社までを、すべて記載します。
およその目安は、「1ヶ月以上、在籍していたのなら記載」です。

また、入社した年月、退職した年月はもちろん書きますが、他にも

  • 雇用形態
  • 職種(営業、開発、企画、経理、総務、人事など)

少なくとも、この2つの情報は追加でほしいところです。

雇用形態や職種が分かれば、あなたが従事していた業務の難易度は推測できます。
私はこの情報を非常に重視しているので、記載漏れがあった時点で書類選考の時点で「終了」です。

業務の具体的な内容は不要

時々、それぞれの職歴についてどのような業務を行っていたのかを、細々とリストアップする方がいます。
正直な話、採用担当者はそのような場所は見ていません。
大まかな職種が分かれば何をしていたのかは予測がつくので、不要な情報だと考えてください。

その代わり、それぞれの職歴について、「会社側からどのような評価を得ていたのか?」が書けるようであれば、ぜひ記載してください
企業側からの他者評価は、応募者の能力を知る重要な判断材料として使えます。
評価を記載する際は長々と書くのではなく、2文から3文程度の分量で書くとチェックする採用担当としてはありがたいです。

退職理由について

職務経歴書の書き方を検索するとよく出てくるのが、「退職理由を書くかどうか?」問題です。
ただ、転職回数が多い場合、すべての職歴に対して退職理由を書くと、どうしても職務経歴書が長くなってしまいがち。
なので、退職理由はできるだけ端的に、客観的な事実のみを書くとよいでしょう

退職理由を採用担当が気にしているのであれば、面接の際に必ず質問をします。
あなたは質問されたときにスムーズに答えられるよう、準備をしておけば十分です。

アルバイトやボランティア、NPO活動の経験

私の会社の特性上、雇用の経歴ではなく、アルバイトやボランティア、NPO活動の経験について、職務経歴書に記載する方がかなり多いです。
ただ、「これらの情報が有効であるか?」と質問されると、残念ながら答えは「No!」です。

「これらの経験を、職務経歴書に書いていいかどうか?」の判断基準は、たったひとつ。

「自分が応募しようとしている企業が求める経験、スキルかどうか?」

これだけです。

先ほども書いた通り、採用担当者は短時間で多数の応募者から提出された職務経歴書を見ます。
読む必要がない情報を書かれた職務経歴書は時間の無駄であり、悪い印象につながるだけなのです。

「企業の採用担当」という相手が、どのような情報を求めているのか?
この質問に答えることで、「職務経歴書には何を記載すればよいのか?」は、自然に導き出されるはずです。

職歴にブランクがある場合

最近は転職をするのが一般的になり、その際、職歴にブランクが発生することも珍しくなくなりました。
あなたが考えているほど、職歴にブランクが存在することを採用担当は気にしていません
どうぞ安心して、転職活動を続けてください。

ただし、あなたの職歴に3ヶ月以上のブランクが発生しているなら、何らかの形で質問されると考えてください。
退職理由と同じく、質問された際の回答を事前に準備しておくことをおすすめします。

志望動機の書き方

採用担当が職務経歴書の中で最もスルーする項目がこちら、志望動機です。

「実際に働く前から、志望する具体的な動機など出てくるはずがない」というのが、採用担当としての率直な考えです。
こちらは何人もの社長さんや採用担当者ににインタビューした結果なので、ある程度の信憑性はあると考えてください。

では、一体、何を書けばいいのか?

私からのご提案は「自分を採用することで、会社が得られるメリット」を書くことです。

新しくスタッフを採用するということは、何らかのメリットを期待してのこと。
ということは、あなたが提供できる価値を志望理由として書くことで、「この人と、ちょっと話をしてみようか」と思われやすくなるという流れです。

こちらに関しては、以下の書籍が非常に参考になるので、ぜひご一読ください。
何度も転職を成功させた方の視点から見た、職務経歴書の書き方や役割が説明されています。

職務経歴書を、今すぐ書いてみよう!

職務経歴書とは、提出する相手、つまり企業の採用担当が求める情報を、あなたがどれほど予測し、適切に返すことができるか?
これらの能力を推測するための材料だと言えます。

社員を採用する立場の視点を持ち、「もしも自分が採用担当者なら、応募する人に何を求めるだろう?」を、想像してください。
採用担当や、最終的に採用の決定権を持つ人の考えていることが分かれば、相手の好感度アップが期待できます

ただ、「ああでもない、こうでもない」と、頭の中で考えてるだけでは何も先に進みません。

まずは職務経歴書を一通、書いてみてください。
そして、何度も修正を加えてください。
書く回数をこなすことで、あなたの職務経歴書はどんどんブラッシュアップされていきますから!

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高柳 るい

「to B」サービスを展開する、小規模企業の社長。 ブランク8年の専業主婦から、「就職活動をするのは嫌」と、一念発起して起業しました。 起業当初より在宅で働く、キャリア10年オーバー、筋金入りの在宅ワーカーです。

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