会社員であれば誰でも1回は思うキーワード、それは「転職」です。
今の職場に少し不満を感じると、すぐに「転職しようかなぁ」なんて思ったりしませんか?
とはいえ、転職したいと思ったからといって、すぐ行動に移す人は少数派です。
なぜなら、「転職したい」と思い立っても、何を、どうすればいいか分からなければ、何も行動できないから。
つまり、全体の流れさえ知っていれば転職活動は始められるし、うまくいけば、今の会社を辞めてもっとよい条件で働けるようになる、というわけです。
そこで、転職活動の初心者さんに向けて、転職活動を始める際にすることの手順を大きく7つに分けて説明します。
初期段階とはいえ、転職活動を始める時にやるべきことは盛りだくさん。
なので、今回は、企業に応募するまでのタイミングに的を絞ってお伝えします。
こちらを読んで、スムーズに転職活動をスタートさせてくださいね。
転職することで、あなたが得たい結果を考える
「転職したい」と思った時に最初にやること。
それは、転職活動のゴールを決めることです。
行き先が分からなければ、どちらに向いて進めばいいかも分かりません。
転職したい理由を洗い出す
「今の会社を退職して、転職したい」と思ったからには、何かの理由があるはずです。
心当たりのことを、まずは紙に書き出してみましょう。
よくある理由としては
- 職場環境が最悪!ブラック企業から脱出したい
- 給料安すぎ!年収をもっと上げたい
- とにかく上司と合わない!職場の人間関係をリセットしたい
- 今の仕事にもう飽きた。新しい仕事にチャレンジしたい!
- 職場が遠すぎて通勤が大変!自宅の近くで働きたい
このような感じではないでしょうか。
思いつく限りの理由をすべてリストアップして、じっくり見てください。
書かれた理由を見て気づいたことがあれば、それも合わせて書き留めておきましょう。
あなたが転職活動を進める際に、方向性を決めるヒントになる可能性があります。
転職する目的を考える
先ほどピックアップした「転職したい理由」をまとめると、あなたが転職したい目的は自然と見えてきます。
ブラック企業からの脱出が狙いであれば、労働時間の短縮が。
年収を上げたいのであれば、求人情報の給与欄は要チェックと言えるでしょう。
また、仕事内容を変えたい方は業務内容を把握しなければなりませんし、通勤時間の短縮が目的であれば勤務地や転勤についての確認が必要です。
今の時点で「転職で得たいメリットはこれだ!」をはっきりさせることが、転職活動を成功させる秘訣です。
あなたのゴールが明確になれば、何をすればいいのかも見えてきます。
ここで、参考として職種別、業界別の平均年収をまとめたページをご紹介します。
【職種別・平均給与】
129職種「年収」ランキング
【業種別・平均給与】
業種別の平均給与
また、仕事の内容を変えたい方は、こちらを読んでみてください。
「どのような基準で、転職先の職種を選べばよいのか?」を始めとして、転職全般について様々な参考になる記載があります。
求人情報を「ざっと」チェックする
次の項目で改めて説明しますが、転職についての「ある判断」をする材料集めのため、ここで一度、求人情報をチェックします。
ここで得たい情報は、転職市場の現状と相場です。
例を挙げると
- どのような職種に、求人がたくさん出ているか?
- 職種別に雇用形態の傾向を知る(正社員、パートやアルバイト、派遣社員、業務委託など)
- 給与水準はどうか?
- 休日はどれぐらい取得できるか?
といった項目です。
本格的な転職活動を始める前に、求人情報を確認する理由。
それは、あわてて転職をした結果、失敗することを防ぐためです。
現職の条件より悪くなるのは、もちろんNGですよね。
だからこそ、転職活動の前に
- 今、どのような人材が求められているのか?
- 自分は求められる人物像に近いのか?
- 企業が提示する条件で働くことに、果たして納得できるのか?
といったことを、考えなければならないのです。
転職活動を「続ける」または「辞める」を決める
先ほど、転職活動について「ある判断」をするのだ、とお伝えしました。
その判断とは、転職活動を続けるのか、それとも辞めるのか、です。
実は転職せず、今の職場にいるのがベストなケースがある
本来、転職というものは、転職すること自体が目的であるケースは、ほぼありません。
そうではなくて、転職することで得られる結果を手に入れたいから、あなたは転職活動をするのです。
つまり、「転職しなくても求める結果が手に入るのであれば、わざわざ転職活動などしなくてもよい」と言えます。
転職活動をするには、時間や労力など大きなパワーを必要とします。
それだけのリソースを費やすのですから、転職活動を続けるかどうかは慎重に決めたいところです。
それでも、やっぱり転職しようと思ったら
一度、立ち止まって転職活動について考え直し、「それでも、やっぱり転職したい」と思えたなら、転職活動は続行です。
転職への意志が固まったので、「こんな転職がしたい」の全体像を、改めて描いてください。
このページの最初にお伝えした、転職する目的をベースにし、転職市場のリサーチ結果を踏まえて調整をするのがおすすめです。
転職によって得たい結果をはっきりとさせ、今の転職市場がどうなってるのか把握できたら、いよいよ転職活動のスタートです!
転職活動のタイムテーブルを作成する
「転職活動を続ける」という方針が決まったので、ここで活動に向けてのタイムテーブルを作成しましょう。
締め切りを作ることで進行状況がしっかり把握でき、着実にタスクを進めることができます。
この項目では、タイムテーブルを作成する際の押さえておきたいポイントを3つ、お伝えします。
タスクを細かく設定する
転職活動のタイムテーブルは、できる限り細かく設定しましょう。
1ヶ月単位で「来月末までに○○する」程度では、ざっくりとしすぎていて、「この1ヶ月の間に、自分は何をすればいいいいのだろう?」と、あなたが困るだけです。
たとえば、「来月末までに、応募する企業を5社に絞る」と設定したいのであれば、1週間単位で。
- 求人情報誌を5紙、チェックする
- 転職エージェントとの面談を入れる
- ハローワークの求人情報を見る
- 各企業を比較する集計表を作成する
これくらいの単位で、具体的なタスク内容として落とし込んでおくこと。
さらに、先ほど例に挙げたタスクをより細かく分解すると
- 求人情報誌を、コンビニで購入する
- 転職エージェントにメールで連絡する
- ハローワークに行く日を決める
- 集計表の項目を考える
となります。
今まで、このような行動パターンに慣れ親しんでいない方にとっては、難しく感じるかもしれません。
なのですが、こういった順序立てて物事を考えるスキルは、身につけておくことで絶対に得をします。
ちょうどよい機会ですので、習得することをおすすめします。
順序立てて物事を考えるスキルを解説した書籍としては、こちらが一押しです。
2時間ほどでさらりと読めますので、ぜひ手に取ってご覧ください。
スケジュールにはゆとりを持たせる
当たり前のことですが、人間には思いもよらぬ出来事が起きるものです。
「朝、目覚めたら体調が悪くて、ベッドから起き上がれなかった」経験は、誰にでもありますよね。
ということは、転職活動のタイムスケジュールをギリギリ、めいいっぱいに設定すると、絶対に遅れが生じるというわけです。
予定より遅れてしまったタスクを見て嫌な気持ちになるのは、あなたも私も同じこと。
それならば、ゆとりを持ったスケジュール設定にするのが、私からのご提案です。
「どのくらい、ゆとりを持たせたらよいか?」は人それぞれですが、頑張ればこなせる量の半分から、多くても6割までがよいでしょう。
あなたが持っている能力の半分を出せばこなせるスケジュールであれば、多少の遅れは十分に挽回できます。
転職活動の撤退ラインを決める
「転職活動を続けているけれども、結果が思わしくない」
もしかしたら、このように転職活動の壁にぶつかるかもしれません。
その際、いつまでもズルズルと続けていたのではモチベーションが下がりますし、よい結果も得られにくくなります。
このような事態にならないよう、転職活動を本格的に始める前に「いつまでに転職活動が終わらなければ、活動そのものを中止する」という締め切りを決めましょう。
この撤退ラインが、いわば転職活動のタイムテーブルの中で最後の設定事項です。
使わなくても済むことが望ましいですが、もしもの時のために必ず設定しておくこと。
そうしないと、「何年間もの間、ダラダラと転職活動を続けています」に、なりかねませんから。
「転職先探しのアンテナ」を大きく張る
さあ、いよいよ具体的な応募先の企業を探し始める時が来ました!
ここでは、転職先を探す方法として、代表的な方法を4つ、ご紹介します。
メリット、デメリットがそれぞれにありますし、あなたにとっての「合う、合わない」も考慮しなければなりません。
なので、取りかかりやすい方法から先にトライし、「ちょっと違うかも?」と思ったら、他の方法も試してみてください。
ハローワークで紹介してもらう
昔も今も、企業に就職するのであれば、ハローワークで紹介してもらう方法は王道です。
求人数はたくさんありますし、職員さんに声をかければ無料で相談にも乗ってもらえます。
退職後に失業保険を受給したり、職業訓練に通うなど、別の用件で出向くこともありますので、転職活動の初心者さんであれば一度は使ってほしい方法です。
デメリットは、ハローワークを利用せずに採用活動をするしない企業がどんどん増えていること。
新しく雇用する社員を探す方法が多様化しているので、ハローワークだけで満足できる転職先を探すのは、残念ですが不十分だと言えるでしょう。
求人情報誌をチェックする
こちらも昔からある、求人情報を探す方法です。
雑誌やチラシなど紙媒体の場合は定期的に発行されるので、転職活動の期間中は必要に応じて手に入れて「新しい求人情報がないか?」を確認します。
紙媒体の求人情報誌だけが持つ特徴としては、地元密着型であること。
地域にあるよい転職先は、初回の掲載ですぐに決まってしまうことが多く、毎回のチェックが欠かせません。
また、ネットの求人情報に比べてもスピードに遜色はなく、あなたが思っているよりも情報の鮮度は優れています。
一方、求人サイトなどネットでの求人情報も、見ておきたい媒体です。
最大のメリットは、何と言ってもネットからすぐに応募できること。
「最初のエントリーは名前とメールアドレスだけでOK」という企業もあり、興味を持った企業にはすぐ応募できます。
とはいえ、この気軽さこそが、裏を返せばそのままデメリット。
転職活動においては「たくさんエントリーすればよい」ではありません。
したがって、「もし採用されたら、ここに入社してもいいな」と思える企業にだけエントリーしましょう。
さらに、有効期限が切れている情報が多いのも、求人サイトのデメリットです。
応募する前には、「現在も有効な求人なのか?」を確認してからエントリーしてください。
また、人によっては、求人情報の数が多すぎて、「どれがよいか、選び切れない」という場合もあるかもしれません。
もしもこのような状況になったら、「転職活動で私が得たい結果は何だろう?」に、立ち返ってください。
どのような条件を満たした転職がしたいのかを思い出せば、条件を絞って検索できるようになります。
転職エージェントを活用する
あなたの転職活動をサポートしてくれる転職エージェントを活用するのは、とてもよい方法です。
料金が発生する転職エージェントも存在しますが、無料で利用できるサービスもあります。
転職先の紹介だけではなく、後から説明する
- 転職の成功体験談を探す
- これまでの棚卸しをする
といったタスクを進めるのにも、転職エージェントの活用はおすすめです。
ですが、転職エージェントを利用する人は転職を希望する人のうちで2割ほど。
だからこそ、転職エージェントを使う価値がある、というわけです。
「今すぐ転職したいわけではないけれども、少しずつ準備を始めたい」
こういった理由でも、転職エージェントの利用はOKです。
また、「転職エージェントは大手企業で勤めていたことがある人しか使えない」と勘違いするなど、敷居が高いと感じる方もいます。
ですが、それは誤解です。
実際には、様々な職歴を持った方が、気軽に転職エージェントの門を叩いています。
さらに、転職エージェントでは、利用登録をした転職希望者にだけ公開する求人情報が、たくさんあります。
「転職先の候補を広げる」という意味でも、転職エージェントの利用は必須であると言えるでしょう。
知人から紹介してもらう
最後にご紹介する転職先探しのアンテナを張る方法は、身近な人から紹介してもらうことです。
友人や知人、ご近所の方が持っている情報は、あなたが想像するよりもずっと広範囲です。
中には、「それ、知りたかったんだ!」と思わずびっくりする価値の高い情報を、予想外の方がにぎっていることも。
このような、いわば「身近な方・ネットワーク」を十分に活用するために、転職活動をしていることは幅広く伝えておくのがおすすめです。
ちなみに、私の夫は、ご近所のママ友から紹介されたのがきっかけで、現職の企業に入社しました。
何かの話のついでで、「うちの夫、今度、退職するのよ」と伝えたところ、
「いつ、退職するの?」
「あ、割とすぐなんだね。じゃあ、うちの会社に来たら?」
「4月から来てくれる人を探しているんだけど、なかなかいい人がいなくって」
「あなたのご主人なら、きっとぴったりだよ」
とこのような形で、トントン拍子に転職先が決まりました。
今年で転職7年目。
退職する必要性をまったく感じることなく、安定して働き続けています。
転職の成功体験談を探す
転職活動を続けていると、「今後の参考になる話が聞きたい」と思う時が来ます。
また、転職活動に行き詰まりを感じている時、続けるための励ましがほしいこともあるかもしれません。
このような時に頼りになるのが、すでに転職に成功した人の体験談を読むことです。
うまく転職できた人の情報は、ネットで探すのが手っ取り早いです。
ネット上には、成功体験談の数も種類も豊富にあります。
なので、まずは、今、お手元にあるスマホで検索してみてください。
加えて、転職エージェントをすでに活用している方は、サイト内に転職に成功した人の話が掲載されています。
「自分と同じ転職エージェントを利用した人は、どのような流れで転職したのか?」
この体験談は、非常に参考になるはずです。
これまでの働いた経験を棚卸しする
転職初心者さんが最初にやるべきこととして、ラストにご紹介するのは、今までの経験を整理し、書類にまとめることです。
これまでに転職をしたことがないのであれば、履歴書を書くのも久しぶりでは?
様式が決まっていますので、最初は手軽に取り組める履歴書を書くことから始めてみてください。
履歴書で頭を悩ませるのが、志望動機、および趣味や特技の項目です。
基本的には、志望動機についてはあなたが就職することで企業側が得られるメリットを。
趣味や特技については、転職先の企業で使えるものがあればそちらを優先して記載する、と覚えましょう。
「履歴書は書き終えたよ」という方は、次に職務経歴書の作成に進んでください。
書類選考をパスし、採用面接に進むための職務経歴書の書き方は以前にご紹介しましたので、こちらからご覧ください。
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現役採用担当から見た、確実に一次面接に進める職務経歴書の書き方
転職活動の際に必ず提出するといってよい、職務経歴書。 「何を、どうやって書いたらいいんだろう?」「書くことがなさすぎで、困ってます!」 と、悩みの種ですよね。 おまけに、せっかく頑張って書いたのに、履 ...
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内容を簡単にまとめると
- これまでの就業経験を、時系列順に記載する
- それぞれの企業について、あなたが働くことで貢献できたことをアピールする
- 上司からの評価を受けていたのであれば、そちらも合わせて書く
- 読む人のことを考え、ダラダラと書かない
以上です。
転職活動成功の最大ポイントは「できる」と信じること
これから先、あなたは先の見えない転職活動に乗り出すことになります。
不安に思うこと、うまくいかないことがたくさんあるはずです。
「この先、どうなるか分からない」という状況の中で転職活動を続けていける最大の秘訣は、「自分はよい転職ができる」と信じることです。
書類選考で門前払いされ、採用面接ではバッサリ落とされる。
このように、心折れる出来事が多発するのが、転職活動というものです。
ですが、あきめないで活動を続けていれば、必ずあなたにベストマッチな企業の採用を勝ち取ることができます。
もしも、選考途中で落ちてしまったとしても、「ここにはご縁がなかったんだ」と笑って次へ行くぐらいで、ちょうどよいです。
「応募する→落ちる→次の企業にまた応募する」
このループを回すことで、あなたの転職活動は確実に前進します。
なので、しっかりと前を向き、今日のあなたができることを続けていきましょう。
あなたが納得できる転職活動ができるよう、心から応援しています!